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プロフィール
佐賀県倫理法人会

H22.11.9 講師:川上真子様

2010年11月10日

 佐賀県倫理法人会 at 20:07 | Comments(0)
平成22年11月9日(火)
四季彩ホテル 千代田館にて

茶道裏千家準教授(茶名・宗真)、華道草月流師範参与
川上真子様(千葉県倫理法人会)

テーマ「真子茶道・新帝王学」《我逢人》~我・人と逢うなり~

H22.11.9 講師:川上真子様



皆様おはようございます。
先程ご紹介いただきました茶道裏千家準教授の川上真子でございます。
本日は一期一会の精神で精一杯つとめさせていただきますので、どうぞよろしく
お願い致します。

佐賀県の倫理法人会の皆様ということで、朝早くから非常に熱いなぁと思って聞いておりました。
すばらしいことですね。

わたくし昨日から心配事が二つありまして、実は昨日“目が覚めたら(セミナーが)終わった7時”という夢を見てびっくりしまして、もう一つは昨日このセッティングを手伝ってくれた人に「明日は先生嵐ですよ。」と言われて、そのあと朝3時くらいに目が覚めた時に風とか雨とかですごかったですよね。
非常に心配しておりましたけれども、どっちともクリアーということで、堂々と講和ができることを嬉しく思っています。

ではまず自己紹介をさせていただきます。
先程ご紹介ありました通りに千葉の木更津というところに住んでおります。
木更津ご存知ですか?
実はしょじょ寺の発祥の地でございまして、木更津駅に着きましたら♪しょ、しょ、しょじょ寺♪というあの音楽が鳴り響いています。実際にそのお寺もたぬきさんがいっぱいいるんです。
今度いらっしゃったら、ぜひご案内させていただきますね。(笑)

佐賀はわたくしのふるさとでございまして、「雪月花」というクラスを持って茶道と華道と英会話を教えさせていただいております。
世界に出ても恥ずかしくない公式の場でも悠然と振る舞える日本人づくり、武士道精神を養うという事をスタンスにさせていただいております。

わたくし海外をはじめいろんな所に住んだことがありますけれども、今回は“逢う”ということ“出逢い”ということについてお話させていただきます。“出会い”から何かが始まりますね。

倫理の創始者であります丸山俊雄先生が書道を心のふるさととされていたといいます。
「大事業を成し遂げる秘訣は書にある、つまり伝統文化なんだ」とおっしゃっています。
純粋な心で書けば上手下手は関係ないということで、わたくしもちょっと下手な字ですけれども、したためて参りました。

「我逢人」これなんと読むでしょう?
「がほうじん」と読みます。「我人に逢うなり」どのような意味だと思われますか?
(読んで)字の如くなんですけれども、道元禅師が生涯の師と出会った時に感動の心を吐露した言葉だと思います。おそらくもがき苦しんで、あることに行き詰まって本当の師に出会ったのでしょう。

人と人の出逢いは何ものにもかえがたい事ですよね。もちろん出逢いは人と人だけではなく、人と物にもあると思います。
本日は皆様「我茶道に逢うなり」でございますね。
将来きっと茶道に出逢い喜び感謝していただきますことを願っております。

わたくしの事をちょっとお話させてください。
わたくしは佐賀市生まれで祖母・母は茶道の先生をしておりました。
祖母がわたくしの第一の師匠でもあります。3歳のときに茶道に入門させてくれました。
まだ幼かったわたしは最初はちょっと「う~ん」という感じだったんですけれども、甘いお菓子が大好きでしたので「しめしめ」と(笑)お茶室に顔を出してまして、そのいやしさが幸いして作法も少しずつ覚えて身についていったように思います。

10歳になったときに、その頃母がメインなんですけれども父親が勤めるアメリカの大学の構内で、お茶会を開いたんですね。そのときにやはりわたしもお手伝いをしたんですけれども、和菓子というのがむこうには売ってないんですね。ああいうすごく繊細な日本のお菓子というのはすばらしいものですが、全然売ってないので、菓子つくりとかもやったりしてました。

今思いますと、そういう気持ちこそが日本の伝統文化の持つおもてなしの心の原点になったのではないかと思っております。

母がそのときに日本人の方たちが、全然日本の伝統文化のことを知らないことに衝撃を受けたというんです。
それはわたくしもいろんなところに行って感じていることではあるんですけれども、ちょっと寂しいなと思います。

それで帰国してからも金立山いこいの広場ってございますよね?
あそこで「はなみずき茶会」といって一般の皆さんに無料でお茶を差し上げております。
ぜひお越し下さいませ。

原口前総務大臣も日本の伝統文化を通じての世界平和を祈るお気持ちがおありということで、毎年お越し下さっておりまして、「武士はこういうことで気持ちを落ち着かせてたんだなぁ」としみじみおっしゃってました。やっぱりするどいご指摘をなされました。「そうだなぁ」と思ってわたしも感心しておりました。

ここでわたしの祖母についてもう少しお話をさせてください。
祖母は夫を戦争でなくしました。まだ幼かったわたくしの母を女手ひとつで、趣味であった茶道を仕事にして育てていたといいます。

その祖母がある朝わたくしに着物をプレゼントしてくれたんです。
祖母はわたくしが一生困らないだけの着物を仕立ててくれましたけれども、それが最後の着物になってしまいました。
わたくしが頼んだわけでもなく、あまりにもたくさんの着物を仕立ててくれてたので、不思議に思って、「そがんわたしが可愛かと?」って聞いたんですね。
そしたら「あんたにはお母さんばお茶で支えてもらわんばいかんけん」と言われたんですね。
そのときは「えー!なんだわたしが可愛かけんだけじゃなかったと?」って言って、その時の重大さはわかりませんでした。しかし、その元気だった祖母が3時間後に亡くなってしまったんですね。

私の中で、使命というか・・その事をずっと思って茶道を必死に頑張ってきました。
そして今、祖母が導いてくれた道のりを歩いてきてわたくし自身の茶道に出会えた・・というのがですね、
実は木更津にいて困った事がありまして、こちらに月二回教室を持ってまして、急に木更津の方にいかなければならなかったものですから、旅費だとかいろいろ困る事になりましたが、そのときに祖母の力もあったと思います、倫理の方との出逢いがあって、その方がおっしゃるには、「今日本を変えるにはハイテクと匠の技術、そして日本の伝統文化しかない。」そういうふうにおっしゃったんですね。

「茶道は日本の伝統文化の中でも歴史、書、花、懐石、そして陶芸ですね。センスや知識を問われる総合芸術でしょう。それはぜひ広めなければならない」というふうにおっしゃいました。
たくさんの倫理の方が茶道に響いてくださったんですね。

千葉では“倫理茶道”というクラスを作っていただいて、点たせていただいております。
どうして倫理の方がそんなにビンビン響いてくださったのかなぁ?とあまりにも不思議に思っておりましたら、万人幸福の栞1条「日々好日」・・茶道でもすごくよく使われる禅語と一緒なんですね。
それで、わたくしはまるで謎が解けたように、パァッと目の前が明るくなりました。
やはりこういうふうに倫理と茶道は根本的思想が一緒なんだと感じさせられました。
茶道でも実践だけでなく、精神論も勉強して、日々精進しております。

それでは実践の方を今からさせていただきたいと思います。
スタンバイをしますので、しばらくお待ちください。

(花瓶の花を指して)皆さんこのお花は何でしょう?
そう、椿です。お茶の世界ではこういうつぼみくらいのお花がいいとされています。
華道とかと違ってこういう楚々とした茶花ですね。
「初嵐」という名前の椿ですね。

お茶の世界では入口のことを何というかご存知でしょうか?
「にじり口」といいます。
じりじりといった感じで入っていくので、「にじり口」というんですけれども、茶道の精神と同じでして、皆さんも一国一城の主の方ですが、わたくしのような小娘もここに入ればみんな同じ、皆平等というそれが茶道の精神です。

---------------ここから実演、香月相談役と福岡会長の2名にお茶とお菓子がふるまわれる。--------

H22.11.9 講師:川上真子様皆さんご存知かと思いますけれども、茶道も「表千家」「裏千家」「武者小路千家」という3つの作法がございまして、わたくしのさせていただいているのが、「裏千家」でございます。

“男点前”といいますけれども、男性がするとすごくかっこいい・・
わたしも負けないようにかっこよくしたいとおもいます。(笑)

ではお菓子がそちらにいってますけれども、まだ食べないでくださいね。
ではお薄を差し上げます。
だいたい畳の上でと思ってらっしゃるかもしれませんけれども、万博の際に外国人のお客様が多いということで、この椅子・・立礼(りゅうれい)というんですけれども、立礼式もちゃんとしたお作法でございます。

今清めているのが袱紗(ふくさ)ですね。これが茶杓(ちゃしゃく)といいます。こういう道具もあらかじめ水屋というところで清めてくるんですけれども、また皆様の前でやっているのは皆様に敬意を表して敢えて目の前でさせていただいています。

これは柄杓(ひしゃく)といいまして日本の伝統文化の弓道からきています。
構える作法が、ところどころ出てきます。

熱いかもしれないですけれども、やけどしないように飲んで下さいね。

ではそろそろお菓子を・・お菓子の取り方なんですけれども、まず菓子器をいただいて向こうと手前のお菓子をひとつずつ懐紙の上に取ってください。
「お菓子をどうぞ」と言われたら、その時に全部いただいてください。H22.11.9 講師:川上真子様

皆さんはお茶を飲んだことありますか?
だいたい泡がたっているものが多いと思いますが、この泡がたっているのが裏千家、表千家は泡をたてません。

(茶碗の)絵が付いたところが正面なので、それを(口を付けないように)おもてなしとおもいやりの気持ちでよけるように回して飲みます。

まず「お点前頂戴いたします。」と言ったら右手でとって、左手のひらに乗せて、いただいて、回します。
回すというのは正面をよけるということで日本人の謙虚な気持ちを表しています。

二回くらい回してもらいます。それで三口半くらいで最後に「すっ」という音で、お願いいたします。
「すっ」というのはおいしかったという意味なので、いわせていただかないとわたしはがっかりしますんで、よろしくお願いします。「ずっ」でもいいです。

ここで後戻し(逆回転)をして、一期一会の精神でお茶碗を見るんですよ。
このお茶碗にはこういうシチュエーションではもう逢う事もできない、人と人も一緒なんですけれどもやっぱりお茶碗との出逢いもこういう場面では飲めないかもしれない・・という意味で、(茶碗を置いて)全体を見ます。そして手に取って見るんです。
でまたサヨナラって置きます。
これでお客様の作法はクリアです。(笑)

「お続き(おかわり)いかがでございますか?」といわれたら「(いらない場合は)もう十分でございます」とか言ってください。


----------------------------ここでプリントが1枚配られる--------------------------------


今お配りしているのは、ローソン代表取締役社長でいらっしゃいます新浪様が文芸春秋の中に書かれた「茶道と私」という文章なんですけれども、皆さんと一緒に少し読み合わせしたいと思います。

<以下引用>
 同時に「自分は経営者として、そして日本人として世界を飛び回って来たのに、実は日本のことを何も知らない」と気付かされた。贅沢な茶器に遊びたいなどということは毛頭なく、ただ純粋に、「知識ではなく、実際に体感して日本に触れてみたい」という思いが高まった。さっそく裏千家の先生を紹介してもらい、私の茶道入門が始まった。

初めて茶室でいただいた和菓子の美味しさには感動した。日本の伝統的なお砂糖の味に「ああ、すばらしい」と日本を感じた。

まずは見よう見まねで茶碗を手のひらの上で回してみた。
すると、茶器の模様が美しく立ち現われ、さらには模様のついたところには口をつけない、という「美的な思いやり」のありかたにも気づくことになった。

こうして「もてなしの心」「四季折々の時間」を茶室の中で体験していると、目に見えないもの、理屈で説明できないものに宿るものの豊かさ、それを感じる心の余裕の大事さを思わずにはいられない。理屈でないもの-文化こそ何かと息がつまるような
社会に必要なのだと強く思うようになった。

-----------------------------------------------------------------------------------

ゆったりと流れる時間の中に今という時の大切さを感じる、「一期一会」の出逢いを学ぶ茶道。
経験を積めばどなたでも上達するのが茶道のいいところでございます。

ではわたくしの講和はこれで終わらせていただきます。
本日はまことにありがとうございました。






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